九州の神社

熊本県・白川吉見神社(南阿蘇村)

御祭神

御祭神ごさいじん 国龍大明神くにたつだいみょうじん罔象女神みつはのめのかみ吉見神よしみのかみ

由緒

白川水源しらかわすいげん鎮守神ちんじゅがみである白川吉見神社しらかわよしみじんじゃは、草部吉見神社くさかべよしみじんじゃに連なる水神すいじんである国龍大明神くにたつだいみょうじん罔象女神みつはのめのかみ吉見神よしみのかみ)をまつっています。

白川水源

創祀そうし不詳ふしょうですが、古代より白川しらかわの流れの総水源、その守護神しゅごしんとして尊崇そんすうされてきました。境内けいだい中央から湧出ゆうしゅつする白川水源しらかわすいげんは、不老長寿、諸病退散の御神水ごしんすいとして昔より尊ばれ、南郷谷なんごうだに及び、菊池きくち南部、飽託郡ほうたくぐん肥後平野ひごへいや灌流かんりゅうして幾千ヘクタールの水田を養う湧水地ゆうすいちとして肥後名勝ひごめいしょうのひとつに数えられています。また、吉見よしみとは吉水よしみずのこととされています。

平安時代後期には、村上源氏定房むらかみげんじさだふさ源定房みなもとのさだふさ)が地頭職じとうしょくで領地しており、阿蘇社あそしゃまつったお宮はありませんでした。そのため 当社は、それ以前から水神すいじんとしてまつられていたと考えられています。天正てんしょう末期(1573-1593)阿蘇大宮司惟善あそだいぐうじこれたねの時、阿蘇神社あそじんじゃ末社まっしゃとして阿蘇四宮あそよんのみや比咩御子神ひめみこのかみ水神すいじんとしてまつることになります。

元禄げんろく14年(1701)6月には肥後藩主ひごはんしゅ細川綱利ほそかわつなとし山狩やまがりの際に参拝さんぱいされ「当社は余が領地養田の源神で水恩広大である。速やかに社殿しゃでんを修造せよ」と郡代ぐんだいに命じ、社殿しゃでんが造営されたと伝えられています。神殿しんでん拝殿はいでん神楽殿かぐらでん神輿蔵みこしくら石鳥居いしとりい鳥居とりいがく阿蘇大宮司惟善あそだいぐうじこれたね御染筆ごせんぴつです。例大祭れいたいさい御神幸ごしんこう文政ぶんせい年中(1818-1831)に始まったとされ、御旅所おたびしょは、吉田新町よしだしんまち町下まちしたの入口、街道の側にあります。嘉永かえい年間(1848-1853)には後に初代熊本藩くまもとはん知事となった細川韶邦ほそかわよしくにが、明治元年(1868)には細川護久ほそかわもりひさ参拝さんぱいされ九曜紋章くようもんしょう付の社幕しゃまく奉納ほうのうしました。

明治元年(1868)に吉見社よしみしゃと改めたとされ、明治6年(1873)から明治9年(1876)の期間、熊本県が「白川県しらかわけん」と呼ばれたのも、白水村はくすいむらの名称も、境内けいだい湧泉ゆうせんより名付けられたと言われています。

現在の社殿しゃでんは明治41年(1908)火災により炎上したため、翌42年(1909)12月に新たに造営竣工されたものです。また、境内けいだいには、樹齢数千年老木数本の社木しゃぼくが聳えていましたが、昭和21年(1946)の台風により倒木したため現在数となっています。社殿しゃでん向かって右手の境内社けいだいしゃ天満宮てんまんぐうで、村内にまつられていた子安観世音こやすかんのん馬頭観音ばとうかんのんほこらの中に併せてまつっています。社殿しゃでん前の水源に建つのは水源の水神すいじんはいするほこらです。

白川水源

白川水源しらかわすいげん

白川水源しらかわすいげんは、阿蘇あそカルデラ内の火山群(中央火口群)の南の裾野すそのである南阿蘇みなみあその代名詞とも言える水源で、環境庁の名水百選に選ばれています。常温14℃の水が毎分60トンも地底の砂と共に勢いよく湧き上がり、熊本市内の中央を流れる一級河川白川しらかわの源となっています。

Photo・写真

  • 一之鳥居
  • 参道脇の白川
  • 二之鳥居と白川水源
  • 白川水源
  • 白川水源
  • 二之鳥居
  • 二之鳥居
  • 手水
  • 神橋より社殿
  • 社殿
  • 社殿
  • 拝殿
  • 拝殿
  • 本殿
  • 天満宮
  • 水神を拝する祠

情報

住所〒869-1502
阿蘇郡あそぐん南阿蘇村みなみあそむら白川しらかわ2040
創始そうし不詳ふしょう
社格しゃかく村社そんしゃ [旧社格しゃかく]
例祭7月22日

地図・マップ